立命館大はウェブサイトでこう伝えている。
「この15名の合格により、立命館大学法科大学院は設立以来、司法試験の累積合格者数が503名となり、500名を突破しました。全国各地で多くの先輩がネットワークを形成していることは、これから先、法曹を目指す学生たちにとっても大きな励みとなります」(研究科長 和田真一 18年9月11日)
合格率11.36%、不合格者100人以上という今年の実績について、もうすこし危機感があってもいい。
とりわけ関西大はかなり厳しい。合格率1ケタでは学生募集にも支障をきたす。関西大の起源は、1886(明治19)年設立の関西法律学校にさかのぼる。その歴史、伝統、そしてプライドを守るためにも、相当な巻き返しが必要とされる。04年に法科大学院制度がスタートしてから、法科大学院の数はもっとも多かった時期で74校にのぼった。しかし、19年までに40校近くが募集停止(募集停止を発表)となった。
なお、19年度以降の募集停止を発表したのは横浜国立大、近畿大、西南学院大の3校。熊本大、鹿児島大、静岡大、香川大、島根大など地域を代表する大学や、青山学院大、立教大などブランド力がある大学も法科大学院から撤退した。
近畿大はそのつらい胸の内を、法科大学院長がウェブサイトでこう語っている。
「平成25年からの司法試験合格率が全国平均の半分以下の状況が続くこととなり、本法科大学院修了生の司法試験合格者数が伸び悩む結果となりました。(略)法科大学院を巡る状況の変転は急激に過ぎ、入学者数及び合格者数ないし合格率の劣勢を挽回したといえるほどの成果を上げ得たとの確信には至っていません。以上の経過を踏まえ、本法科大学院が今後も法曹養成の一端を担い続けるべきかを反芻するとき、法曹養成の任務を、苦境の中なお奮闘を続ける他の法科大学院に託すのも賢明な選択肢の一と思料され、この際、平成31年度入試を実施しないことと決しました」(山本雅昭・法科大学院長 18年6月13日)