とりうみ・ふじお/1976年生まれ。計算社会科学者。東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻教授(本人提供)
とりうみ・ふじお/1976年生まれ。計算社会科学者。東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻教授(本人提供)
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 SNSを中心に広がる反ワクチンのデマ。鳥海不二夫・東大教授が分析したところ、その発信源の大部分は29アカウントが占めるという。デマにだまされないためにはどうすればいいのか。AERA 2021年9月6日号で鳥海教授が語る。

【最新データ】こんなに違う!3社各ワクチンの副反応を徹底比較

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 私は今年1月から7月にかけて、ワクチンに関するツイート約6300万件を収集し、「デマ」の分析を行いました。

 デマを発信する人たちは、医師やスピリチュアル系、いわゆる保守派の人や、逆にリベラル側など様々。内容も大きく分けて「副反応で死んだことが隠されている」といった“副反応系”と、「ワクチンなど効かない」というのが多いです。

 ワクチンに関しては内容の真偽もさることながら、ワクチンに反対したい人が、反対するための道具として使っている側面もあるようです。

 いわゆる“反ワクチン系”のツイートは、その投稿総数の約50%の出所が、「29のアカウントによる投稿」を多数の拡散者たちがリツイートを重ねていたこともわかりました。29アカウントによる投稿が、リツイートでものすごい勢いで拡散していった。総投稿数は1月から7月の間に約11万件ありました。

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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