老後資金が不安だけど何もできない…“マネー情弱”脱却は「年金額の把握」から

2021/07/02 08:00

 そもそも「ねんきん定期便」に記載されている内容がチンプンカンプンだという人も多い。そこで、会社員とフリーランスに実物を提供してもらい、見方を解説した。

 会社員の実例は、一部上場企業でエンジニアとして働く神奈川県在住の男性(39)のもの。彼の場合、現職のまま今の保険料を納め続けると、65歳から月額換算で17万1911円を受給できる。妻の年金は6万円程度だといい、合わせて約23万円。

「37歳で4800万円の住宅ローンを組んだので、返済が72歳まで。退職金で繰り上げ返済して、旅行も贅沢な外食もしない生活を送れば生きていけるとは思いますが……」

 一方、埼玉県在住のフリーランス独身男性(44)は、ほぼ国民年金のみの受給となり、月額換算の受給額は5万円ちょっと。

「今の住まい(賃貸マンション)の家賃が6万3千円なので、その補填ぐらいにはなるか、と。若い頃、年金を払うのが面倒で滞納を続けたら財産差し押さえの督促状が届き、超高額な延滞金も要求されました。それ以降は2年前納で払っています」

こうして自分がもらえる年金を把握したら、次は毎月の生活費(食費や水道光熱費、通信費など)を大まかに計算しよう。定期的に旅行に出かけたい人はその費用も計上する。

 賃貸暮らしなら家賃もプラス。持ち家の人は住宅ローンの残債と完済のメドをチェックしておこう。もう一つ、リフォーム費用のことも忘れずに。20年に一度が標準的だ。どんなに長持ちさせても、30年も経てばどこかしら修繕が必要になる。

 これらの費用と現在の貯金を合計したうえで、65歳以降の30年間で受け取る公的年金の総額から差し引く。プラスなら心配なし。マイナスなら、その金額こそ、自分が「老後に向けて蓄えておくべきお金」だ。

 個人向けのマネー教育に力を入れるマネックス・ユニバーシティ長の大槻奈那さんも、自分に必要な老後資金を個別に計算することが大切と説く。家計調査年報のような質問形式の統計資料は正確性に課題が多く、かつ平均を示すに過ぎないため、その数字に惑わされてはいけないと言い切った。

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