ワクチン開発「9割は実用化できない」と専門家 日本勢を待ち受ける「第3段階の壁」

新型コロナウイルス

2020/06/26 09:00

 しかし、感染症に詳しい内科医の久住英二医師はこの案を真っ向から否定する。まれな副反応を見逃すおそれがあるほか、中途半端な抗体が重症化を招く危険があるというのだ。

「いくつかのワクチン開発で確認された抗体依存性感染増強という現象です。ウイルスから体を守るはずの抗体が逆に免疫細胞へのウイルス感染を促進し、免疫系が暴走してしまうのです。第3段階を省略して実用化などあり得ません」

 ただ、第3段階のために海外勢と組むのも容易ではない。

「日本企業は1980年代からほとんど自前のワクチンをつくっておらず、技術もスケールも完全に遅れています。国内分のワクチンを確保するには海外メーカーへの投資と速やかな交渉が重要でしょう」(久住医師)

 かつてないスピードで進むワクチン開発。久住医師は言う。

「一度免疫がつけば再感染しても重症化しづらいと考えられます。ワクチンを広く接種できるようになれば、新型コロナウイルスは恐れる病気ではなくなります」

(編集部・川口穣)

AERA 2020年6月29日号より抜粋

AERA (アエラ) 2020年 6/29 号【表紙:浜辺美波】 [雑誌]

朝日新聞出版

amazon
AERA (アエラ) 2020年 6/29 号【表紙:浜辺美波】 [雑誌]
1 2

あわせて読みたい

  • 加速する新型コロナ “ワクチン開発”競争 モデルナがいよいよ3万人の臨床試験へ

    加速する新型コロナ “ワクチン開発”競争 モデルナがいよいよ3万人の臨床試験へ

    週刊朝日

    7/28

    悪玉抗体ができる心配も…コロナワクチン開発に警鐘

    悪玉抗体ができる心配も…コロナワクチン開発に警鐘

    週刊朝日

    10/30

  • ワクチン開発は英、米、中…遅れた日本 他国が実用化でも「国産」確保が重要である理由

    ワクチン開発は英、米、中…遅れた日本 他国が実用化でも「国産」確保が重要である理由

    AERA

    6/26

    コロナワクチンの早期開発が難しい理由 開発で大事な4つのポイントとは?

    コロナワクチンの早期開発が難しい理由 開発で大事な4つのポイントとは?

    週刊朝日

    10/29

  • 国産ワクチン開発遅れの背景 治験の「倫理の壁」に立ち往生…新手法も政府は及び腰

    国産ワクチン開発遅れの背景 治験の「倫理の壁」に立ち往生…新手法も政府は及び腰

    AERA

    5/11

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

コメント

カテゴリから探す