「ろう者」主人公のシリーズ、なぜこのテーマで? 小説で障害のリアル掘り下げる (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

「ろう者」主人公のシリーズ、なぜこのテーマで? 小説で障害のリアル掘り下げる

このエントリーをはてなブックマークに追加
AERA#読書
丸山正樹(まるやま・まさき)/1961年生まれ。シナリオライターとして活躍後、『デフ・ヴォイス』(文庫は「法廷の手話通訳士」と副題が付く)でデビュー。同シリーズの他に居所不明児童を描いた『漂う子』がある(撮影/岡田晃奈)

丸山正樹(まるやま・まさき)/1961年生まれ。シナリオライターとして活躍後、『デフ・ヴォイス』(文庫は「法廷の手話通訳士」と副題が付く)でデビュー。同シリーズの他に居所不明児童を描いた『漂う子』がある(撮影/岡田晃奈)

「デフ・ヴォイス」シリーズは、ろう者の両親から生まれた聴者の子(コーダ)であり、手話通訳士の荒井尚人を通しの主人公としながらも、さまざまな個性のろう者が、物語ごとの主役として登場する。

「シリーズになるなんて夢にも思いませんでした。今では、もうここから逃げるわけにはいかないと思っています(笑)。ただ今後は、時間と距離をもっと冷静に取って、やっていきたいと考えています」

 もし興味を持ったら、今回の本の美しいカバー装画を見て、少女の右手の意味するところを、調べてみてほしい。(ライター・北條一浩)

■東京堂書店の竹田学さんのオススメの一冊

『「男の子の育て方」を真剣に考えてたら夫とのセックスが週3回になりました』は、魂の叫びに満ちた著者自らの「自己回復」の記録だ。東京堂書店の竹田学さんは、同著の魅力を次のように寄せる。

*  *  *
 過干渉な「毒親」との格闘を描いたコミックエッセーや歪な男性中心社会の本質を抉る性風俗ルポなどを著してきた田房永子の最新注目書籍。

 著者は第2子が男の子だったことから内なる男性嫌悪に向き合い、被害と加害、自立と依存を徹底的に詰めて考える。自らの性的尊厳を掴み直す過程を赤裸々につづった本書は魂の叫びに満ちた無類に面白い自己回復の記録である。

 学生時代の痴漢被害、職場でのセクハラの数々などを振り返り、女性を傷つけ貶める男性社会の現実と構造を、痛切で説得力のある分析とマンガで描出する。七転八倒の夫との別居を経て過去のセックスへの執着から自らを解放し、性的主体としての自覚を深めていく姿は気高く美しい。著者の振幅激しい表現は読者を引き込み振り回すが、自己崩壊と再生がないまぜになった解放感をもたらす。必読。

AERA 2019年9月2日号


トップにもどる AERA記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい