“文化祭”で養われた力の賜物? 進学校からクリエイターが育つ理由 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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“文化祭”で養われた力の賜物? 進学校からクリエイターが育つ理由

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鈴木隆祐AERA#教育
上田高(長野)/上田の「松尾祭」の呼び物はアンデパンダン展。毎年力作揃いで、フランスの画家ジョルジュ・スーラの油彩画「グランド・ジャット島の日曜日の午後」を模した作品が2008年、原画を所蔵する米国のシカゴ美術館に展示されたほど(撮影/鈴木隆祐)

上田高(長野)/上田の「松尾祭」の呼び物はアンデパンダン展。毎年力作揃いで、フランスの画家ジョルジュ・スーラの油彩画「グランド・ジャット島の日曜日の午後」を模した作品が2008年、原画を所蔵する米国のシカゴ美術館に展示されたほど(撮影/鈴木隆祐)

旭丘高(愛知)/自由な校風で、着ぐるみ同好会の生徒がリスやサルの格好で校内をうろちょろ、いや、「鯱光祭」のガイドもしていた。自身もOB・OGなのか、父母の来校が目立った(撮影/鈴木隆祐)

旭丘高(愛知)/自由な校風で、着ぐるみ同好会の生徒がリスやサルの格好で校内をうろちょろ、いや、「鯱光祭」のガイドもしていた。自身もOB・OGなのか、父母の来校が目立った(撮影/鈴木隆祐)

国立高(東京)/約四半世紀の歴史だが、完全に新たな伝統として定着し、それを見て志望を固める受験生も多数に上るのが「国高祭」の3年生の演劇。クラス持ち上がり制の団結を最後に示し、翌春の受験にも一丸となり邁進する。卒業生にもこの経験をバネに、表現の世界で活躍する者が多い(撮影/鈴木隆祐)

国立高(東京)/約四半世紀の歴史だが、完全に新たな伝統として定着し、それを見て志望を固める受験生も多数に上るのが「国高祭」の3年生の演劇。クラス持ち上がり制の団結を最後に示し、翌春の受験にも一丸となり邁進する。卒業生にもこの経験をバネに、表現の世界で活躍する者が多い(撮影/鈴木隆祐)

 舞台美術に音楽、そして演技が加わる総合芸術が演劇。動員数で日本一と評判の東京都の国立高校の「国高祭」は、その演劇において「プロ劇団顔負け」のクオリティーと高い評価を受けている。定員約320人で8クラス編成の3年生総勢で取り組む演劇だが、3年間がクラス持ち上がり制のため、一枚岩になれるのだ。

 今年は8演目のうち二つがオリジナル作品。それら以外でも、東野圭吾の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』、石田衣良の『アキハバラ@DEEP』などを下敷きにし、自らの脚本・演出で演じた。教室という狭い空間に設けられた舞台、エントランスの装飾にもそれぞれの担当がいて、創意工夫を凝らしている。

 結果として、同校からはクリエーティブ畑で活躍するOB・OGが非常に目立つ。電通や博報堂などの大手広告会社や、NHKやキー局にも多くの人材を送り込んでいる。文化祭を山場として培われる創造性が卒業後にこそ実を結ぶ証左だろう。

 高校は単なる大学進学への布石ではない。課外活動への取り組みに生徒の自治能力も問われ、総合的な人間力をいかに涵養するか? という役割が、今後ますます評価基準ともなろう。その指標が文化祭と言えるのだ。(ジャーナリスト・鈴木隆祐)

AERA 2017年11月6日号


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