稲垣えみ子「老後のお金を考える 『多ければ安心』の罠」

アフロ画報

稲垣えみ子

2017/10/23 07:00

 最近よく思うのですが、我々はいつも「お金を増やすこと」ばかりを考え、一方で「どう使うか」をちゃんと考えてこなかった。ただただお金は多いに越したことはない、多ければ多いほど幸せになれると思ってきた。

 でもよく考えてみれば、お金は手段であって目的ではありません。どのような人生を送りたいか、何に幸せを感じるのかは人それぞれのはずです。だからお金がどのくらいあれば幸せになれるかも人それぞれのはずなのです。

 月に50万円あっても足りない人もいれば、5万円あれば余る人もいる。「多いほど良い」と考えている限りお金はどれだけあっても足りないし、そうなると暴走する欲に振り回されて短期的な利益に走り、結局はお金を減らしてしまいます。チャップリンは人生に必要なのは勇気と想像力と少しのお金だと言いました。この「少しの」というところが実は深い気がします。

AERA 2017年10月23日号

稲垣えみ子

稲垣えみ子

稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行

このコラムニストの記事をすべて見る
1 2

あわせて読みたい

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

コメント

カテゴリから探す