稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年、愛知県生まれ。元朝日新聞記者。著書に『魂の退社』(東洋経済新報社)など。電気代月150円生活がもたらした革命を記した魂の新刊『寂しい生活』(同)も刊行
稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年、愛知県生まれ。元朝日新聞記者。著書に『魂の退社』(東洋経済新報社)など。電気代月150円生活がもたらした革命を記した魂の新刊『寂しい生活』(同)も刊行
不肖私の財布。大切なお金に敬意を払い、お札の向きを揃え、余分なレシートは小まめに整理(写真:本人提供)
不肖私の財布。大切なお金に敬意を払い、お札の向きを揃え、余分なレシートは小まめに整理(写真:本人提供)

 元朝日新聞記者でアフロヘア-がトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

【写真】稲垣えみ子さんの財布はこちら

*  *  *

 先日のアエラの特集は「老後のための投資」。最近この手の本や雑誌をとてもよく見かけます。それだけ誰もがお金について真剣に不安を抱えているのだと思います。

 中身を読むと、書いてあることは誠に王道。つまりは長期分散投資。短期的利益を求めるのでなく、焦らずリスクを分散してコツコツ積み立て続ければちゃんと増えると。

 これはおそらくずーっと言われてきたことです。不肖私も10年ほど前に会社を辞めることを考え始めたとき、やはりお金のことが心配で投資の勉強をしました。最も影響を受けたのが勝間和代氏のベストセラー『お金は銀行に預けるな』。で、そこにもやはり長期分散投資をせよと。つまりは世間にお金や投資の情報がいくら溢れかえろうが、きっと答えは一つなのです。

 それなのにこうした特集が尽きることなく組まれ読まれるということは、結局、その「王道」を歩むのがいかに難しいかということなのではないでしょうか。わかっちゃいるけどできやしない。そう、問題は「どうしたらいいのか」ではなく、「なぜできないのか」ということなのです。

著者プロフィールを見る
稲垣えみ子

稲垣えみ子

稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行

稲垣えみ子の記事一覧はこちら
次のページ