ゴールデン街で「日替わりママ」が増えている理由 一日ママ体験で見えた現実 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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ゴールデン街で「日替わりママ」が増えている理由 一日ママ体験で見えた現実

福光恵AERA
お店目当てと、その日のママ目当てのお客さんのダブルの集客が見込めるなど、「日替わりママ」にはメリットが多い? (※写真はイメージ)

お店目当てと、その日のママ目当てのお客さんのダブルの集客が見込めるなど、「日替わりママ」にはメリットが多い? (※写真はイメージ)

 ここまでの支出を計算してみた。店のレンタル代と着付け料金あわせて2万8千円に加え、高いお酒を買いすぎ、ぎゃー。すでに5万円近い出費。1ドリンク500円に設定したので、100杯売らないと赤字じゃん。暗算でもわかる赤字が確定してしょんぼりだが、いざ開店だ。

●外国人客で大繁盛

 しばらく扉を開けるのは、本誌編集長など様子を見に来てくれたサクラばかりだったが、21時を回るころには、初の外国人観光客が来店。飲み物が足りなくなると、カウンターで仕事ができないママ自ら近所のコンビニに買いに行ったが、帰るたび、外国人のお客さんがどんどん増えているじゃないの。

 この店のもともとの常連さんなど日本人客も加わり、一時は20人近くがすし詰め状態で酒を飲む、大繁盛店の様相に。でも喜んでばかりもいられない。客が増えれば注文も増えて、目の回るような忙しさ。「私もいただいていいかしら」なんて、ねだってる暇なんてありゃしない。

 そうして最後のフィンランド人カップルの客を見送ったのが午前1時すぎ。鍵をかけて速攻着物を脱ぐ。いつもなら「あれー」とくるくる回るギャグのひとつもするところだが、そんな元気あるわけない。黙々と片づけて、夢のママ体験が終了した。

 売り上げは3万数千円に上り、残った酒も夫に2千円で売りつけたが、追加の買い物が響き、結局3万円前後の赤字。まあ、ワンコインやノーチャージの価格設定など、シロウトゆえの失敗もあったけど、プロのママならここにチーママへの支払いなども加わるはず。クラブにしろ、スナックにしろ、自分の知り合いのママたちは、みんなケチな気がしていたが、ごめん。あれは営業努力だったのね。

 そんなママ業へのリスペクトをしみじみと感じることになった、ゴールデン街職業体験。自分はやっぱりライター業、がんばることにします。(ライター・福光恵)

AERA 2016年11月14日号


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