──「やさしくされない」理由は何だと思いますか?

Aさん:私の実感ですが、きちんと成果を出している人は淡々と自分の仕事をしていて、ワーママを敵視しない。一番つらく当たってくるのは、毎日遅くまで残業しているのに成果が出せない人かな。そういう人からすると、時間制約のあるワーママに成果を出されると「お前たちは何やっているんだ」と批判されることになる。だから、在宅勤務のようなワーママ支援策にも否定的な意見を言うことが多い。そんな気がしてならないんです。

Bさん:誰もが満たされることがきっと大事なんですよね。全員が早く仕事を切り上げて帰れる働き方が浸透すれば「あの人たちだけなぜ」とはならない。

Cさん:ワーママが職場に登場すると職場全体が効率化しますよね。だったら最初から全員が効率化を目指せばいいのに。

Bさん:その通り!

●「ワーママ専用」は満杯

Dさん:現状は出産すると「ワーママはこちらへ」みたいな部署に異動する人が続出で、その部署ももうパンパン。産前と同じように仕事を頑張って続けようとすると、同僚にもお客さんにも「即対応できずにすみません」、子どもにも「ご飯がコンビニでごめんね」、夫にも「忙しくなっちゃってごめん」と皆に謝ってばかりで、心が折れそうになる。

Cさん:私も、味方だと思っていたシッターさんから「うちの娘は出産したら仕事を辞めますよ。できた娘なので」と言われた時にはすごく落ち込みました。

Dさん:褒められるとしたら「子どもがいるのに夜遅くまで仕事をしてエライですね」と。でも、「遅くまで働くからエライ」はちょっと違う! 

Aさん:例えば一日7時間労働に規制して、超過分の残業代を今よりかなり高く設定するとか、デフォルトの長時間労働を是正する法整備は必要ですよね。私たちワーママ自身がやるべきことももちろんあって、周りと同じだけのアウトプットができる努力をしなければ。

Dさん:そう。ワーママも一枚岩ではなくて、「私は毎日17時に帰ります。ここまでしかできません」と権利だけを主張するぶら下がり社員もいますからね。

次のページ