ほかにも、シチューは牛乳ではなく豆乳を使用し、とんかつのつなぎに卵を使わない、などと工夫する。こういった献立は、月に1回の献立作成委員会で決定。卵や乳製品を使わなくても、たんぱく質やカルシウム、ビタミンなどの栄養は文科省の基準量をほぼ上回っている。献立を工夫することで、多くの子が同じ給食を食べられるだけでなく、誤食や飛散のリスクも減らすことができる。もちろん、「机を離す」必要もない。

 環境教育の一環で牛乳パックを子どもたち自身が洗ってリサイクルに回す取り組みをしている学校は多いが、乳アレルギーの子にはリスクがあるので、大阪狭山市では瓶の牛乳を採用。細部に目配りをし、アレルギー児を疎外しない工夫をしているのだ。市教育委員会事務局の林部吉博さん(63)は言う。

「食物アレルギーを持つ子どもにも、友だちと一緒に給食を食べる楽しさを味わってほしい」

(アエラ編集部)

AERA  2016年3月7日号より抜粋