小1と2歳の娘を育てる都内在住の女性(32)は、夫は毎日、深夜帰宅の激務で子育ての「戦力外」。実家の両親は離れているし、共働きだから頼れない。正社員だけど残業を断って保育園へお迎えに行き、子どもが病気のときはベビーシッターや自治体のファミリー・サポート・センターなどを使い、「綱渡りのように」子育てをしてきたという。

 次女の出産で入院したときは、長女を児童養護施設に「ショートステイ」させた。長女の親子遠足では0歳児だった次女をベビーシッターに預け、2万円かかった。必死にやりくりしてきたが、長女が学童保育になじめず、昨夏、会社を辞めた。

「公的サービスは安いけど、例えばショートステイは原則1週間前までに申請、など使い勝手が悪く、いざというときに助けになってくれない。最終手段としてシッターに頼ってきました」

●「欠勤ならクビ」無理解上司の罪 結局、早期退職

 都内で2児を育てる49歳女性も子育てに介護が重なり、会社を辞めた。妊娠中はつわりがひどかったが、上司から遠回しに「欠勤したらクビ」と言われた。育休復帰後は1時間時短勤務し、週2回ファミサポを利用。実母が倒れて入院したとき、会社の制度にある2時間の時短を申請したが、上司に「ありえない」と一蹴され、仕方なく介護休暇をとった。再入院した際に再度申請したら「職場に戻れなくなるかもしれないぞ」と言われ、早期退職募集に手を挙げた。

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