共働きで収入の安定した夫婦でさえも高いと感じるベビーシッター企業の利用料金。病児保育の認定NPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹さん(34)はこう解説する。

「行政の補助は施設型の保育所に向けたものばかり。ベビーシッターをほとんど支援してこなかったため高額になり、ネットの紹介サイトなどの安価な個人シッターに流れる構造を生んだ」

「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さんも追い詰められた親たちを危惧する。

子育てしている親、というだけで弱い存在。経済的、時間的ゆとりがないと、もっと弱くなり、危ないサービスにすがってしまう」

 そんな中で、質の高いベビーシッターを見つけるにはどうしたらいいのか。

 横浜市に住む営業職の女性(37)は夫婦とも地方出身の共働きで、急な仕事が入ったり子どもが病気になった時はベビーシッターしか頼れない。先日、6歳の子がインフルエンザに感染して5日間頼み、1日1万9千円、計10万円ほどの出費は痛かった。だが、いつも来てもらっているシッターの都合が悪かったことが不安だった。名前と携帯電話の番号、50代で子育て経験ありという会社からの情報だけで、初対面のシッターに大事な子どもと自宅のカギを預けた。

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