●子連れで面接 子どもが好きか相手を見極める

 ネットシッター肯定派もいる。今回の事件で当事者がやりとりした紹介サイト「シッターズネット」を、2年ほど前から利用する40代の男性はこう語る。

「会社派遣のシッターは料金が高いし、子どもが好きで働いている人かどうかわからない。それなら安くて、自分の目で人柄を見極められるほうがいい」

 複数の掲示板に書き込んで20人前後と連絡を取り、条件が合えば夫婦と下の子2人を同席させて面談。その場で「子どもに話しかけるかどうか」を見る。必ず運転免許証や健康保険証などの公的な身分証明書と履歴書を出してもらうようにした。

 週6日、4~5時間を3人のベビーシッターが交代で子どもたちと過ごしている。時給は800~1千円。派遣会社を通した場合の半額以下で、子ども好きで信頼できる人を雇うことができたと話す。

 今回の事件は、決して母親に子どもへの愛情がなかったから起きたわけではない。
「おカネのこともあって、すぐに預けられる場所もなかった。あの時、助けられなかった。ごめんねってしか言えない」

 母親は事件後、報道陣に涙ながらにこう語った。

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