湯浅さんが殺害された千葉県市川市の現場。加害者が待ち伏せをしていたという情報もある (c)朝日新聞社
湯浅さんが殺害された千葉県市川市の現場。加害者が待ち伏せをしていたという情報もある (c)朝日新聞社

 彼らはなぜ、エスカレートしてしまうのか。千葉県市川市で11月27日、湯浅栞(しおり)さん(22)が刺殺された。殺人容疑で逮捕された岡逸人(はやと)容疑者(23)は、9月に警察官から「ストーカー規制法違反の可能性がある」と口頭注意されていた。

 ストーカーの被害者と加害者のケアに携わるカウンセラーで『こういう男とつきあってはいけない』(マガジンハウス)の著書もある小早川明子さんは、

「まだ警察の対応の目が粗い。被害者の声を取りこぼしてしまったのでは」

 小早川さんによると、ストーカーやDV(ドメスティックバイオレンス)被害に遭いやすい被害者とその加害者には特徴があるという。そのため、精神科医の福井裕輝さんが作成したストーカー被害の危険度、重大事件に発展する可能性などを判定するチェックリストを全国の警察で活用する動きもある。ただ現状は、

「警察にじっくり話を聞く人的余裕もないし、聞いても従来の、ただの男女問題という先入観から、重大な事件に発展する可能性があると判断できないのではないでしょうか。チェックリストがせっかくあるのに、十分に活用できていないと思います」

 自衛策として何ができるのか。「まずはそうした人に近づかないこと」だと小早川さんは話す。 加害者は、実際に付き合っているかどうかにかかわらず、妄想を抱きやすいタイプだという。加害者になりそうな傾向を見分けるポイントを挙げてもらった。以下が、小早川明子さんの話をもとにアエラ編集部で作成したリストだ。

<ストーカーになりやすいタイプ>
(1) 出会ったばかりなのに高価な贈り物をくれる
(2) 饒舌に自慢話もしくは苦労話をして「自分史」を語る
(3) 「僕には君が必要だ」などと歯の浮くようなセリフを何度も言う
(4) 人への評価がころころ変わる。自分をほめる人は好きだが批判する人は嫌い
(5) すべて人のせいにする
(6) 誰とどこで会うかなど1日の予定を細かく聞いてくる

 4項目以上該当したら可能性が高いという。

AERA 2013年12月9日号より抜粋