他にも多くの食品が、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻、異常気象などが重なった影響で値上がりしているという。

 では、そんな中でも比較的お得な商品は存在しないのか。各所に取材を試みたが、生鮮食品も加工食品も、中長期的に値下がりが見込まれるものはほぼ皆無。前出の秋葉社長も「難しい……」とうなりつつ、それでも一筋の光明を示してくれた。

「ジャガイモならたくさんありますよ。昨年は不作で価格が高騰した時期もありましたが、比較的早い段階でだんだん静岡・関東と出荷量が増えてきて、5月半ばくらいから大幅に下がった。まだ西日本からも出てくるのに、関東はすでに飽和状態。これらの在庫が一掃されてキレイになったころには、今度は北海道産の出荷が始まる。供給量が多い状態が続き、年内はおそらくずっと安い」

 秋葉社長がもう一つ、強く推す食品が白米だ。

「小麦が世界的に高騰している中、白米の価格は安定しています。特に7月後半、8月は在庫過多になりがち。9月に新米が出てくる前にさばくため特売も多いシーズン。まさに日本の救世主。最近は糖質ダイエットで米離れが起きていますが、そもそも日本人はずっとお米を食べてきた民族。米を食べて太る体質ではない。要はバカみたいに食べなければいい」

 なるほど……でもやっぱり、炭水化物系だけじゃなくおかずも食べたい。そんな人は、海産物コーナーで近海ものの魚をチェックするといいという。

「為替と輸送コストの影響で値が張る海外産に比べて、天候さえ安定していれば意外と安いときもあります。7~9月はイカなどお手頃価格になるかもしれない。また、フルーツ類はこれからメロン、桃、梨、ブドウが出てきます。猛暑の強い日差しと雨の影響でおいしくなることはほぼ確定だが、価格はわからない」(同)

「奥の手」は、スーパー以外から食品を購入することだ。

 食品の価格は、全国の流通量や品質などに応じて相場が決まる。しかし近隣で地産地消する食品は、そうした市場の原理から外れた“掘り出しもの”に巡り合えるときもある。千葉県柏市の農産物直売所「かしわで」の店長はこう明かす。

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