野菜が並ぶスーパーマーケット「生鮮市場アキダイ」(関町本店)の様子
野菜が並ぶスーパーマーケット「生鮮市場アキダイ」(関町本店)の様子

 物価が高い。長引くコロナ禍や戦禍の影響は世界経済を圧迫。毎日私たちのテーブルに並ぶ食料までもが、情け容赦ない値上がりにさらされている。逆風に負けず、少しでも財布を傷めない買い物で家計を防衛するには、どうすればいいのか。

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 値上げの大波が止まらない。地域や店による差はあるだろうが、スーパーに足を運ぶと、1袋198円程度だった玉ねぎは358円に。産地によっては、大ぶりのものが1個100円オーバーで売られているケースもあった。

 肉も高い。外国から仕入れる餌代が円安を背景とした物価高・石油高で高騰した影響か、豚肉も1パックあたり数十円上がっている。加工食品も高くなっていて、110円だったサンマの味噌煮の缶詰は、290円に。パスタやカレールーなどの小麦製品も、食品会社が足並みをそろえるように、続々と1割近く値上げされた。

 帝国データバンクの大手飲食料メーカー105社を対象とした調査によると、今年に入って以後、7月末までに8058品目が値上げ。8月にも、2431品目が値上げされるという。

 日本の食料市場で何が起きているのか。東京都内を中心に展開するスーパーマーケット「生鮮市場アキダイ」の秋葉弘道社長は、玉ねぎの高騰を例に挙げてこう語る。

「玉ねぎの値上がりは昨年の北海道の干ばつや、コロナ禍による中国のロックダウンの影響が大きい。3月はまだ中国産の在庫が国内にありましたが、4月にロックダウンが延長されると、中国産を多用していた加工ルートも国産にシフトしました。これにより、昨年の干ばつの影響ですでに平年の2倍の価格で取引されていた玉ねぎが、さらに2倍値上がりした。計4倍です」

 秋葉社長によると、本来は1ケース(20キロ)あたり2500~3千円で取引される玉ねぎが、4月半ばには1万~1万1千円で取引された。現在は4千円前後にまで落ち着いたが、それでも平年の約1.5倍。「玉ねぎがこんなに値が動くのは珍しい」(秋葉社長)

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