脳のおそうじスープの“素”
脳のおそうじスープの“素”
『1日1杯 脳のおそうじスープ』(アスコム刊)から作成 (週刊朝日2021年3月12日号より)
『1日1杯 脳のおそうじスープ』(アスコム刊)から作成 (週刊朝日2021年3月12日号より)

「ついさっきまで『次はこれをやろう』と思っていたことが、一つ動作を挟んだ次の瞬間に『あれ、何しようとしていたんだっけ』と忘れてしまうことが増えてきたんです」

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 千葉県に住む女性Yさん(58)はこの1年ほどで、物忘れが加速してきたと感じている。同世代の友人たちとも、人の名前がすぐに出てこない、という話に必ずなる。

「以前より脳を働かせていないのかもしれない」

 加齢に伴う視力の低下で、好きだった読書の量が減り、脳に十分な刺激が与えられていないのではないか。ゆくゆくは認知症になるのではないか、と案じる。

『1日1杯 脳のおそうじスープ』(アスコム刊)の著書がある脳神経内科の内野勝行医師がこう指摘する。

「40、50代から脳機能の衰えは進んでいきます。脳にたまっていく“ゴミ”を放置すれば、衰えは加速していく一方です」

“脳のゴミ”とは、アミロイドβというたんぱく質の一種。脳神経細胞を破壊、死滅させ、認知機能を低下させる毒素だ。近年の研究で、認知症はアミロイドβがたまり続けることで引き起こされることもわかっている。

 さらに、アミロイドβは認知機能だけではなく、免疫力も低下させるというからやっかいだ。このコロナ禍では、なおさらなんとかしたい。

 ゴミを取り除くには、やはり掃除。内野医師は「除去や弱毒化に有効なのは食事。栄養バランスの取れた食事をとれば、脳はきれいになる」と話す。とはいえ、食生活を急に変えるのは難しく、凝った料理は面倒だ。そこで内野医師が薦めるのが「脳のおそうじスープ」だ。

「脳の掃除をするために必要な栄養素を含んだ食材をちぎって混ぜ、お湯を注ぐだけの簡単なものです。1日1杯、長く飲み続けてください。数カ月続ければ、認知機能は改善されていきます」

 脳にゴミをためる原因となる活性酸素。これを除去するリコピンを含むトマトや、同じく抗酸化成分のアスタキサンチンが豊富な桜えびなど、脳の掃除に効果的な食材がたっぷり入ったお手軽料理だ。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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