高鳥修一衆院議員
高鳥修一衆院議員
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「これまで、新型コロナウイルスにかかるのは感染者の『自己責任』だと思っていました。けれど、自分が感染してみて初めて、その認識は誤りだったと気付きました」

【親にできる子どもの「コロナいじめ」防止3カ条】

 こう語るのは自民党の高鳥修一・衆院農林水産委員長だ。現職の国会議員として初めて新型コロナウイルスへの感染を公表。9月18日に入院、10月2日に医師の判断のもと退院した。

 感染経験を機に、現在はコロナ感染者・医療従事者と家族を偏見や差別から守るための法案を議員立法で今国会に提出する準備を進めている。感染を通し気づいた“誤り”とは何だったのか。

──コロナに感染する前はどのような仕事をしていたのでしょうか。

 自民党筆頭副幹事長兼総裁特別補佐という立場で、給付金など新型コロナウイルス関連の経済対策について、安倍前首相に官邸で説明をする立場にいました。
 
 仕事を通じ日々コロナ関連の話題には接していましたが、自分が当事者になるとはまったく思ってもいませんでした。感染症対策に非常に気を配っていて、マスク着用は当たり前、ポケットには常に自分用の消毒液を持っていて、消毒や手洗いをこまめにやっていました。

 多人数で飲み会をしたり、夜の街に出入りする中で感染が広がっているという話を聞く中で、感染は「自己責任」だと思っていました。

──コロナには十分注意していたのに、感染してしまったんですね。

 飲み会や夜の街には行っていないし感染症対策もしていました。それでも自分はうつってしまった。どんなに気を付けていても、感染が起こる時は起こる。全てが「自己責任」では済まされないのだと思い至りました。

──感染が判明する前に、兆候はありましたか。

 それがまったくなかったんです。コロナ感染の前兆として「咳が出る」「味覚・嗅覚がおかしくなる」といった症状が報告されていますが、そうしたことはなかった。発症(発熱)する日まで特に異常を覚えることもありませんでした。

──感染がわかった日はどのような状況だったのですか。

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最初に考えたことは「感染の事実を隠したい」