(5)試合後の選手たちの「やり切った」笑顔

 これまで書いてきたように、球場内外からはいくつものにぎわいが失われているが、選手たちの躍動だけは例年と変わらないことが救いだ。特に、試合後のインタビューで見せる選手たちの表情は、例年以上に笑顔が目立ち、負けたチームにも大きな悲壮感はない。「持てる力を出し切った」という満足感に満ちているように感じる。

 今回の交流試合、多くの選手がゲームの勝ち負け以上に「これまで自分たちのやってきたことの集大成を見せる」という目標設定をしているからこその笑顔なのだろう。イレギュラーな年ではあるが、やはり、甲子園は「特別」なのだと実感させられた。

(本誌・秦正理)

※週刊朝日オンライン限定記事

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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