7月の参院選で2議席獲得の大健闘を見せた山本太郎代表率いるれいわ新選組。消費税ゼロや奨学金徳政令といった政策を掲げているが、どう実現させるのか。山本代表の都知事選への出馬はあるのか。ジャーナリストの田原総一朗氏が聞いた。
[前編・山本太郎「空気を読まず100人の候補者を…」衆院選の戦い方]より続く
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田原:全国を回ってるの?
山本:はい。私からの訴えもしてますが、皆さんからの声を聞くのがメインになっています。
田原:山本さんは何を訴えている?
山本:生活が苦しいという人が非常に多い。一刻も早くあなたの生活を引き上げることが必要。そのために消費税を廃止したいと。あとは奨学金徳政令ですね。大学・大学院に行くために奨学金で首が絞まっている状況なので。
田原:大学を無料にするということ?
山本:先々はそうですが、いま既に奨学金の返済で首が絞まっている人たちが555万人もいる。そういう人たちの返済をチャラにしたい。少子化が問題だといいながら、教育に対して負担が大きすぎますから。そういう生活に直結した部分で訴えをしている状況です。
田原:消費税を5%に下げたり、ゼロにしたら、国の借金の返済はどうするの? 日本は先進国で借金が最悪。すでに1100兆円もある。GDP比で240%近く。ギリシャよりもひどい。大破綻だよ。
山本:ギリシャとは状況が違う。ギリシャはEUに加盟し、自国通貨の発行権がない。そのため、ユーロ建てで借金し、破綻した。一方で、日本は円で借金をしながら、円を発行する能力がある。だから、破綻しない。いま何が足りないかというと、財政出動です。インフレ(経済成長に伴い所得が増え、物価が上がる)に上限を設定して、そこに達するまでは財政出動し続けて問題ない。いまの日銀と政府の目標はインフレ率(前年に比べてどれくらい物価が上昇したか)2%だが、私はもっと高くてよいと見ている。
田原:安倍首相と日銀の黒田総裁の借金の仕方が足りないということね。
山本:それと財政出動。
田原:先日、政府が26兆円の大型経済対策を決定したことに対して、朝日新聞と毎日新聞は「出しすぎだ」と反対しているけど。