今年8月には総勢300人のJr.だけのコンサートも開かれる予定だ。Jr.は、まだ平均年齢が10代のグループもあり、ファンも若い。

「絶えず若いファンを再生することでジャニーズは50年間、人気を維持してきた。ジャニーさんが渾身の力をふりしぼって育成した成果が実り、畑が非常に肥沃な土地になっているところ。とても良い状態でバトンタッチされていると思う。デビュー後のグループの解散やメンバーの脱退などばかりが話題になりますが、基礎的な部分が盤石なのは大きい」(朝日新聞記者)

 新しく社長に就任するとみられ、これまでも「1軍の監督」だったのは藤島ジュリー景子さんだ。

「プロデューサーとしての実績と手腕は高く評価されるべき。嵐がブレークしたのもジュリーさんの手腕によるもの。ジャニーさんとはまた違う感性があり、タレントの個性の幅を広げ、多くのファン層を獲得してきた」(同)

 一方、「2軍」の監督は、新会社ジャニーズアイランドの社長に就任した滝沢秀明。滝沢は20歳のころにこんな発言をしている。

「本当になりたいのは『プロデューサー』って言われる人かもしれない。特にジャニーさんになりたい! 小さいころからショーを作ることがすごく好きだったんです。ジャニーさんにひっついて『俺も海外行く!』って」(月刊アサヒグラフ「person」02年5月号)

 滝沢について、アイドル評論家の西条昇・江戸川大教授は話す。

「ジャニーさんから直接指導を受ける機会も多かったが、同じ人間ではありませんから、個性は出てくる。でも、何も変えないという方針は逆にジャニーイズムではないと思います。ジャニーさんは、同じ舞台の演目でも構成も出演者も毎回大きく変えていました。根幹は残しながら、趣向をこらしたりしていくことが、タッキーがジャニーイズムを継いでいくことになるのではないでしょうか」

 さらに、滝沢ならではの強みもあるという。

「Snow ManやSixTONESといったJr.のメディア露出がとても多くなり、動画配信なども積極的に取り組むようになりました。ベテランふぉ~ゆ~にもスポットを当て、ジャニーさんとは違う優しさも感じます。それは後輩から慕われる部分だと思います。やはり本人がタレントとして経験してきたものですから、説得力がありますよね」

 ジャニーさんの姿勢を象徴するようなセリフが、堂本光一の舞台「SHOCK」シリーズに出てくる。「SHOW MUST GO ON」。何があってもどんなときも、ショーの幕は開けなければならない。ジャニーさんが50年かけて追いかけた夢の続きは次世代が紡ぎ出してくれるに違いない。(本誌取材班)

週刊朝日  2019年7月26日号