ジャニー喜多川さんが創業したジャニーズ事務所 (c)朝日新聞社
ジャニー喜多川さんが創業したジャニーズ事務所 (c)朝日新聞社
ジャニー喜多川さんの歩み (週刊朝日2019年7月26日号より)
ジャニー喜多川さんの歩み (週刊朝日2019年7月26日号より)

 日本の芸能界をリードしたジャニー喜多川さんが7月9日、くも膜下出血で亡くなった。87歳だった。12日に営まれた家族葬では、タレントの名前が刻まれたプレートが遺影を囲んだという。ジャニーさんが50年がかりで追いかけた夢は、自身が育てた次世代に受け継がれていく。

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「出会いと深い絆に感謝します。YOU、天国で待っててよ」(東山紀之

 ジャニーさんの訃報を受け、翌日からジャニーズ事務所の所属タレントが次々とコメントを発表した。

「常に現場に立ち続けた姿勢を手本にさせて頂きます」(木村拓哉)

「ジャニーさんと出会えたことで僕の人生は大きく変わりました。嵐をつくってくれてありがとう。感謝です。感謝でしかないです」(大野智)

「少年のような心を持った男でした。僕が音楽や作品にここまで情熱的になれたのも、あなたの作品や表現者に対する情熱を見てきたからこそだと思います。あなたは最高です。最高以外の言葉が見つかりません」(長瀬智也)

 ジャニーさんは6月18日、自宅で倒れ、都内の病院に救急搬送された。入院先に所属タレントが入れ代わり立ち代わりお見舞いに訪れていた。しかし、危機を脱することはできず、9日午後、永い眠りについた。

 ジャニーさんは、最近まで自らがプロデュースする舞台やコンサートに足を運んでいたという。放送作家の山田美保子さんは明かす。

「ここ1、2年、車椅子を持っている人が近くについていらっしゃいましたが、完全に乗っている姿を私は見たことがありません。私たちの目に触れるような場所では、絶対にシャキッと立っていらっしゃる。夢を売るお仕事、周囲に気を使わせたくなかったのではないでしょうか」

 日本の芸能界をリードしてきたジャニーさん。ここで改めて、その人生を振り返ってみたい。

 ジャニー喜多川、本名喜多川擴(ひろむ)。僧侶の父が布教で訪れた米国で日本人女性と結婚、1931年にカリフォルニア州で誕生する。

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