

米メジャーリーグのシアトル・マリナーズのイチロー外野手(45)が3月20、21日に東京ドームで行われる「2019MGM MLB開幕戦」(マリナーズ対アスレチックス)のメンバーとして菊池雄星(27)と共に凱旋帰国した。
16日に会見が行われ、イチローは「これは大変、大きなギフトなので、僕にとっては」と7年ぶりに行われる日本での公式戦を喜んだ。ただ、イチローの置かれている立場は非常に厳しい。この日本遠征が、現役選手としての最後の花道になる可能性もある。
イチローのオープン戦の成績はわずか2安打で、打率はなんと1割を切った。安打製造機と言われていた頃の姿はそこにはない。それでもマリナーズのスコット・サービス監督はイチローの開幕2連戦のベンチ入りさせる。しかし、そこは戦力というよりは、日本のファンへのサービスからだろう。
そもそも、この打棒では、マイナー契約の現状では、いつ契約を打ち切られてもおかしくない状況だ。イチロー自身、会見で自分が置かれている立場の厳しさをジョーク交じりで答えた。
「ここに(いるのは)、キャンプの結果を踏まえると、本来ありえないことだと思っている。やっぱり日本人であることで既に勝ち組なんだなと思っています」
メジャーリーグやプロ野球などを取材するスポーツライターの菊田康彦さんは、イチローの現状を心配する。
「マリナーズから契約を切られる可能性は少なくはない。オープン戦とはいえこういう結果が出てしまうとそういう印象を持ってしまいますよね。(昨年5月以降に選手登録から外れて公式戦に出場しなかった)ブランクを埋めるのは、イチロー選手を持ってしてでも難しい。イチロー選手が果たしてマリナーズ以外のチームでも現役にこだわるか、どうかでしょう。最近の言動からはマリナーズへの愛着を感じますし。日本のプロ野球への復帰はないのではないでしょうか」
昨年はマリナーズ側が、日本での開幕戦を計画しており、イチローは“球団会長付き特別補佐”という役職でチームに留まった。