また、各大学の入試の特徴をみると、帝京大学は1月28日から30日にかけて3日間、1次試験を行っている(試験日自由選択制)。3回受けて一番成績のよい点数を大学側は判定してくれるので、緊張してしまったり体調不良になってしまったりなど、ベストなコンディションで受験できなかった受験生にとってはうれしい取り組みだといえる。

■医学部に合格する生徒と、不合格になる生徒の違い

 東京・千駄ケ谷にある「メディカ」は、設立以来多数の医学部合格者が輩出している。2018年度は、在籍者23人中22人が、1次試験を突破したという。数多くの医学部受験生を見てきた亀井氏は、こう話す。

「合格する生徒に共通しているのは“気持ちの切り替えが上手”ということです。今日受けた大学で実力が出せなかったとしても、明日には別の医学部の試験が待っています。失敗ばかりに気を取られずに、新たな気持ちで挑戦する。そんな生徒が医学部合格を勝ち取っています」

 試験を受けながらも常に“アンテナを張る”ことも、合格のポイントだという。

「医学部の学科試験を受けながら、今年の化学の入試問題は合金や油脂をあつかったテーマが多いとか、生物は考察問題と計算問題が多く知識問題は少ないなど、問題を俯瞰で見て分析する力が大切です。共通した傾向を見つけ、わからない問題があったら、その日のうちに復習する。これをするかしないかで、医学部への合格は大きく変わります」

 亀井氏は1次試験を終えて塾に帰ってきた生徒一人ひとりに「どうだった?」と声をかける。そのときに「何の問題が出たか覚えていない」と答える生徒は、残念ながら不合格になることが多く、逆に「化学ではαアミノ酸の問題が出て、数学では楕円と双曲線の問題があった」と出題された問題をしっかりと覚えている生徒は合格している場合が多い。

 では、医学部受験生を持つ親は、今から何に気をつければいいのだろうか。インフルエンザが流行するこの時期、体調管理をしてあげることは大切だ。「ちゃんと眠れている?」「ご飯、食べている?」など、子どもに対して気にかけているわよという姿勢を見せることも必要だ。

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