「学校の先生や、通っている塾の先生に声をかけて協力をお願いするのも、親として大切だと思います。特に塾の講師は医学部受験のプロです。親御さんの不安を取り除くのも仕事ですから、何でも相談してみてください」

■2次試験の面接を突破するためにできること・しておくべきこと

 各大学の面接試験は、点数で判定する学校もあれば段階評価をする学校もあり、基準もさまざまだ。受験生は、医師になりたいとは思っているが、医学生になっているわけではない。救急搬入時の慌ただしさや外科手術など、実際の医療を見たこともないまま、知識豊富な面接官の前で自分の意見を述べなくてはならない。そんな面接を突破するには、何が大切なのだろうか。

「医学部受験の面接官は、知識よりも熱意のある生徒を必要としています。答えがない質問に対して受け答えができるか、自分の言葉できちんと話しているのかを判断します。大切なのは謙虚な態度と笑顔です」

 面接試験で不合格にならないために、メディカではグループ討論を実施したりカメラを回した面接模擬試験の授業を行ったりしている。自分の表情を映像でチェックすることで、顔の表情や目や手の動き、クセになっている言葉遣いなどが浮き彫りになるという。

 メディカには講師控室はない。生徒からの質問にはすぐに答えられるように、講師は同じフロアに座っている。また、徹底的な学習管理を行い、専用のアプリで学習状況を把握し、それをもとに毎週、生徒一人ひとりと面談をしている。それぞれの学習の定着度を確認しながら、わからないところを解説したり、志望校にあわせた学習計画を一緒に練ったりもする。

 授業の2週間後に扱った全内容の復習テストを実施し、さらに5週間ごとに定期試験も行い理解度を確認している。テストの結果は壁に貼り出し、それが競う心を育ててもいる。悔しい思いをすることが人生にとって大事であり、それが大きな試練を乗り越える力にもなるからだ。

「成績を貼り出す際は、躊躇することもあります。今回の成績が悪くても、次の試験で大きく成績を伸ばした生徒は、思いっきり褒めます。医学部合格のためには、このような小さな成功体験を積み重ねていくことがとても大切なのです」

(取材・文/長谷川拓美)