安倍昭恵夫人 (c)朝日新聞社
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石破佳子夫人 (c)朝日新聞社
石破佳子夫人 (c)朝日新聞社
安倍晋三と石破茂を「妻力」「政策力」「実行力」「人脈力」「人間力」の5つで分析(週刊朝日2018年9月21日号より)
安倍晋三と石破茂を「妻力」「政策力」「実行力」「人脈力」「人間力」の5つで分析(週刊朝日2018年9月21日号より)

 本誌が入手した、政府系調査機関が自民党全国会議員に対して行った総裁選の独自調査の結果によると、安倍支持は334人、石破支持は48人と安倍圧勝だった。石破氏が2012年総裁選の折、圧勝した地方票も、安倍陣営による締めつけが強まっている。作家の大下英治氏が言う。

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「自民党執行部が国会議員らに『安倍さんを支持します』という誓約書のサインを求めたりしています。もともとは二階派が始めたことですが、他派閥でもまねをするようになりました。地方票は比較的、自由と言われながらも、締めつけが強まっている。無記名ではあっても、どの区の国会議員が何票の地方票を集めたかわかるように集計するそうです。成績が悪いと次のポストにも響くから、国会議員も自分の選挙区の票集めに必死になりますね」

 だが、そんな締めつけに反発する声もある。自民党都議がこう話す。

「私の周囲の支持者は石破さんを推す声が強い。安倍さんの支持者は『消去法で選んだ』という人が多く、無記名投票なので最後に何が起きるかわかりません」

 安倍首相は8月26日、鹿児島県垂水市で桜島をバックに出馬表明して以降、福井、石川、横浜などを行脚。

「福井は同じ細田派でかわいがってきた稲田朋美元防衛相、横浜は安倍氏を支える菅義偉官房長官の地元と地の利がある所ばかり回っている。出馬表明した鹿児島県は、モリカケ疑惑をうまく収めてくれた森山裕国対委員長の地元なんです」(安倍家と親しい元山口新聞幹部の濱岡博司氏)

 さらに7日の告示日の前日には北海道で大地震が起こり、7~9日に予定されていた安倍首相と石破氏の合同会見や街頭演説などは中止。おまけに10日から首相はロシアへ外遊に出かけ、帰国は14日なので、20日の投開票まで実質、6日間だけの戦いとなる。

「安倍さんはモリカケ疑惑などの蒸し返しを嫌がり、石破氏と一対一で討論することを避けていたので、渡りに船。石破氏が頼みにする小泉進次郎氏も『今は災害対策』と記者団に話すなど動きを封じられた。震災ムード一色なので、石破派はメディアを使った空中戦ができず、苦しい戦いを強いられるでしょう」(自民党中堅議員)

 進次郎氏の後援会幹部がこう話す。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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