東大医学部附属病院
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医学部合格者数トップ5(週刊朝日 2018年4月27日号より)
医学部合格者数トップ5(週刊朝日 2018年4月27日号より)
2018年国公立大医学科合格者数トップ30(週刊朝日 2018年4月27日号より)
2018年国公立大医学科合格者数トップ30(週刊朝日 2018年4月27日号より)

 高収入の仕事として人気が高い医師。国公立大学の医学部医学科は、入るのが軒並み難しくなっている。東大や京大よりも地方の医学部を選ぶ受験生も多い。合格者数トップ30をもとに、本当に強い高校を分析した。

【2018年国公立大医学科合格者数トップ5はこちら】

 まずは、今年の医学部入試を振り返ってみよう。

 国公立大の志願者数を前年と比べた指数は、前期は94、後期は90でいずれも減少した。駿台予備学校の竹内昇・市谷校舎長は、首都圏など都市部の受験生の医学部志向が下がったことや、2段階選抜の導入などが要因だとみている。

 ただ、ハイレベルな戦いであることは変わっていない。

「志願者数は全体的に減少していますが、成績上位層は減っておらず、合格ラインも下がっていません」(竹内さん)

 私大も狭き門が続いている。医学部専門予備校「メディカルラボ」の可児良友・本部教務統括は、「全体的には私大も志願者が減っていますが、入りやすくなった感じはしません」。医学部専門予備校「進学塾ビッグバン」の松原好之代表も、「関西人は昔から実学を重んじるため、関西での医学部人気は相変わらず強い」と指摘する。

 最近の特徴は、首都圏に住む生徒が地方の国公立大医学部に合格しても、首都圏の私大に進むケースが増えていることだ。国際医療福祉大や順天堂大、日本医科大や東京慈恵会医科大など、授業料が比較的安いところが選ばれている。自宅から通える大学に通わせたいという、保護者の考え方もあるようだ。

 それでは、医学部に強い高校を個別に調べていこう。週刊朝日とサンデー毎日、大学通信の合同調査による国公立大医学部医学科の合格者数のランキングを作成した。

 合格には大学入試センター試験で9割ぐらいの得点が必要となる。ランクインした34校はすべて東大と京大にも合格者を出している有力進学校だ。

 トップテンには関西や九州などの私立の中高一貫校が複数入る一方で、首都圏の高校は開成(東京)しかランクインしていない。

 地方では、医師は高収入が得られる数少ない仕事の一つ。教育に熱心な地方の家庭は、子どもを医師にさせようと小学校から勉強させている。東大・京大の工学部や農学部より、地元の国公立大医学部が第1志望という受験生は珍しくない。

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