──東京五輪は2年後です。
五輪の自国開催を追い風にしなければならない。3×3(スリー・バイ・スリー、3人制バスケ)が東京五輪での正式種目にもなった。バスケをよりメジャーにするには100年に一度の好機と言えます。東京五輪に出場できなければ日本バスケの未来はない、という危機感を持っています。
──昨年11月から始まったW杯アジア地区1次予選で、日本は4連敗。東京五輪に開催国枠で出場できるかどうか定かではない現状では、W杯に出場してベスト16程度に入ることが五輪開催国枠付与の目安と言われています。
1次予選は残り2試合。2次予選に進むには4チームの中で3位に入る必要があります。6月には強敵のオーストラリア戦が控えています。厳しい現状に変わりはありませんが、なんとしてもW杯出場をつかみ取りたい。選手の表情を見ていると、国を背負って戦う姿勢が、これまでになく強く表れています。
──4連敗はいずれも接戦でした。フィジカルの弱さも指摘されています。
バスケでは体と体のぶつかり合いが頻繁に起こります。そこで後手に回ると試合には勝てません。世界最高峰のNBAでの実績がある、すご腕のフィジカルトレーナー、佐藤晃一さんを迎えました。世界で戦える体づくりに欠かせない人材を確保できたと思っています。選手個人での肉体強化ももちろんですが、ゲームをコントロールする側のレフェリー強化にも取り組んでいます。現在、JBAのプロレフェリーは加藤誉樹一人だけ。世界基準を目指す彼の背中を見て、審判もどんどん育ってほしい。審判のプロ化も今後の課題です。
──Bリーグの選手たちに求めたいことは?
選手にはもっと喜怒哀楽を爆発させてプレーしてほしい。今、街ゆく人に「バスケットの顔は?」と聞いても、ほとんど名前が挙がりません。出てくるのは田臥勇太(栃木)くらいでしょうか。Bリーグから“バスケの顔”となる選手が次々に出てこなければならないし、観客やメディアのみなさんには厳しく見てもらいたい。それもまたBリーグの、ひいては日本バスケの強化につながります。
(聞き手 本誌・秦正理)
※週刊朝日 2018年3月23日号