本多さんが、蒸し大豆をより食べやすくするコツとしてアドバイスをくれた。

「1粒ずつ箸でつまむのが面倒と感じる人も多い。だから、スープやカレー、シチューなど、スプーンで食べる料理に入れると、食べやすいですよ」

 蒸し豆は、サラダとの相性もよい。トッピングが手軽だが、他の野菜も小さめに刻んで豆と混ぜ込み、スプーンで食べると食べやすい。また、蒸し大豆をマッシャーで軽くつぶしてハンバーグや肉団子に加えたり、野菜ジュースと一緒にミキサーにかけたりしてもおいしく食べられる。

 多少の面倒をいとわなければ、自宅でも蒸し大豆を簡単につくれる。乾燥大豆を一晩ほど水につけて吸水させ、蒸し器に平たく並べ、中強火で25分ほど蒸す。その後、火を止めてふたをしたまま20分ほど置く。すると、皮が落ち着いてしっとりと蒸し上がる。食べきれない分は冷凍できるから、大量にまとめて蒸しておくのもよい。

 大豆の仲間である黒豆や枝豆でも、ほぼ同様の栄養素を摂取できる。黒豆には黒大豆ポリフェノールが含まれ、血中中性脂肪や体重増加を抑える効果が報告されている。混ぜた料理が黒くなってしまうきらいはあるが、おせちの黒豆は甘くて苦手という人でも蒸し黒豆なら食べやすいだろう。

 厚生労働省によると、1日にとる豆類の量は100グラム以上と推奨されている(「健康日本21」)。ただ、実際の平均摂取量は約60グラムで、40グラムほど足りない。本多さんはこうアドバイスする。

「カレースプーンに山盛り1杯の大豆で、生野菜サラダ1人分の食物繊維がとれます。大切なのはたくさん食べることではなく、毎日続けること。スプーン1杯の大豆から、始めてみてはいかがでしょうか」

(森田悦子)

週刊朝日 2018年1月19日号より抜粋