酒は“百薬の長”と言われるが、長年にわたって過度の飲酒を続けると、肝機能障害や糖尿病、高血圧など生活習慣病リスクが高まることはよく知られている。

 同時にアルコールは「依存薬物」で、アルコール依存症は自分の意思で飲酒をコントロールできなくなる病気だ。毎晩のように深酒をして会社を欠勤するようになり、失職してしまう人もいる。また、一度飲んだら止まらなくなり、配偶者への暴言や暴力、子どもへの虐待などの社会的な問題を起こすこともある。

 厚生労働省の研究班の調査によれば、日本でのアルコール依存症患者は109万人と推計されている。依存症になるリスクの高い飲酒者(純アルコール摂取量が1日平均男性40グラム以上、女性20グラム以上)は1039万人にも及ぶ。純アルコール20グラムの目安はビール中瓶1本、日本酒1合、ウイスキーはダブルで1杯だ。

 特に近年の傾向では、高齢化社会に伴ってアルコール依存症患者の高齢化も急速に進んでいるという。

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