この読み方とてもおもしろいので、おススメします。そして、2巻以降進んだものはなるべく続けて買う。だが、問題は途中で実写映画化が発表されてしまった場合。表紙の帯に演じる人の写真が貼られてしまったりなんかしたら、もうガッカリ。まず「似てる」「似てない」と評価するしかなくなる。大好きな漫画の実写化はなるべく見ないようにしている。だって、答えあわせとして見てしまうから。仮におもしろかったとしても、「原作とあそこが違ったよな」とか思うと、自分が何のために見てるんだろうと思ってしまったり。

 そして、その映画がおもしろくなかった時は、最悪の事態だ。原作にも興味がなくなってしまう。「俺、なんでこの漫画好きなんだろう」と魔法が切れてしまったかのような気持ちになる。ヒット中&連載中に映画化になり、映画が駄作と言われて、漫画の勢いが明らかに弱まった作品は少なくない。

 とか言ってる自分も、大ヒット漫画「新宿スワン」の映画のパート1を脚本させてもらった。とてもいい経験になったが(笑)。ただ、作りながらどうしても原作と違う部分を入れたくなってしまったりする。だけど、それだとファンは望まないんだよなとか。

 漫画原作の映画はビジネスである映画において、もはや背骨になっている。だけど、やっぱり、映画を見ていて、その物語にどこに連れていかれるのか? ワクワクするのが好きなんだよな、と思う。

週刊朝日 2017年10月27日号

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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