限界国家ニッポン この国は巨大な「限界集落」だった… (3/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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限界国家ニッポン この国は巨大な「限界集落」だった…

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限界国家に向かう日本の未来年表 (週刊朝日 2017年8月4日号より)

限界国家に向かう日本の未来年表 (週刊朝日 2017年8月4日号より)

10年ごとの人口の増減 (週刊朝日 2017年8月4日号より)

10年ごとの人口の増減 (週刊朝日 2017年8月4日号より)

 厚生労働省の推計によると、25年に不足する介護職員数は37万7千人。介護保険を払っているが、介護サービスを受けられない人も続出する恐れがある。

 家族の介護のために仕事を辞める人は現在、年間10万人超と言われる。離職する層は今後、団塊ジュニア世代にも広がっていく。

「若者が減ることで、介護分野に限らず、工場に勤める人も農地を耕す人もいなくなり、日本はゴーストタウン列島になる。40年ごろには年20万人、週平均約4千人の孤独死が発生するとも言われます。現役世代の社会保障負担の増加も避けられません。今の日本は住みやすい国ですが、近い将来にそうではなくなる。国の未来に希望がなくなれば、海外に移住する若者も増えるでしょう」(毛受氏)

 限界国家への道を突き進んでいるのは、日本の社会保障制度に問題があるとの指摘もある。財政社会学が専門の井手英策慶応大教授は言う。

「日本の社会保障は、高度経済成長を前提につくられています。自分で働いて貯金をし、教育、医療、老後の備えなどをすべて自己責任で負担してきた。21世紀に入って低成長時代になり、家計貯蓄率は今やゼロに近いところまで落ちました。世帯収入も300万円未満が全体の33%、400万円未満は47%。夫婦共働きでも、子どもを2人以上産んで大学まで進学させることが難しい」

 間近に迫る危機は、20年の東京オリンピックだという。

「東京オリンピック後の5年間、実質経済成長率の予測は平均0.5%で、30年にはゼロになります。戦後の高度経済成長が再び訪れる可能性は低いのです。20年秋以降、日本は喪失感に襲われることになる」(井手教授)

【限界国家に向かう日本の未来年表】
2018年 現在約120万人いる18歳人口が減少しはじめる
2021年 団塊ジュニア世代が50歳に。介護離職が増加
2022年 団塊世代が75歳になり、超高齢化社会が加速
2025年 東京都の人口が減少に転じる。全国で介護職員が37万7千人不足
2026年ごろ 認知症患者が800万人に
2031年 18歳人口が100万人を割り込む。経営が悪化する大学が続出
2035年 日本の人口の4割が60歳以上になる
2040年 自治体の半数が消滅の危機
2040年ごろ 孤独死が年間20万人発生
2053年 日本の人口が1億人を切る
2055年 75歳以上の人口が2446万人に。4人に1人が後期高齢者になる
2056年ごろ 現役世代の社会保障負担が重くなる。海外に移住する若者も
2065年 日本の人口が約8800万人に
(取材をもとに編集部作成)

週刊朝日  2017年8月4日号


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