我々が長年信じてきた「カロリー=太る」という図式は間違いだというのだ (※写真はイメージ)
我々が長年信じてきた「カロリー=太る」という図式は間違いだというのだ (※写真はイメージ)

 糖質制限ダイエットに挑戦したものの挫折してしまった。また、主食を我慢するのに躊躇してしまう人はいないだろうか? そんな人に朗報、糖質を我慢しなくてもいい食べ方があるのだ。管理栄養士の足立香代子先生(臨床栄養実践協会理事長)が推奨するのは、おかずを3分の2くらい食べてから主食を食べる「後食べ」と、ご飯にオリーブオイルを足したりとアブラや食物繊維など、必要なものをプラスする「足し算食べ」。どちらも血糖値の上昇を緩やかにする目的がある。

 とはいえ、高カロリーのアブラをプラスすることに問題はないのだろうか? 店頭では「ロカボ」「低糖質」などと謳った食品が目立っているが、「ノンカロリー」「カロリーオフ」といったコピーも相変わらずよく目につく。カロリーが「ダイエットの敵」であるという風潮は、何十年も前から変わっていない。そのため、アブラを足し算してカロリーを増やすことには、どうしても抵抗を感じてしまう。そんな懸念に対して、糖尿病専門医の牧田善二先生(AGE牧田クリニック院長)はこう答える。

「カロリーで血糖値が上がることはなく、高カロリー食品を食べたからといって太ることはありません。生化学を研究している私は、10年以上前から『カロリーではなく糖質を制限すべきだ』と知っていましたが、医師でもこの事実を知らない人が多い。だから日本の糖尿病学会は、いまだにカロリー制限を続けているのでしょう」

 なんと、我々が長年信じてきた「カロリー=太る」という図式は間違いだというのだ。では、「足し算食べ」と「後食べ」は効果的と言えるだろうか?

「アブラやたんぱく質、食物繊維から食べ始めると、食後血糖値の上昇が緩やかになることは確かです。糖尿病予防として効果的な食べ方だと言えるでしょう」(牧田先生)

 足立先生も、この食事法を単なるダイエット法としてではなく「健康的な食べ方」として推奨している。実際、食後血糖値を抑制することは心筋梗塞やアルツハイマーの予防にもつながる。ただ、血糖値スパイクを防ぐということは、血糖値が緩やかに下がるということだ。それはつまり、空腹になりにくいということで、太りにくくなる効果は十分期待できる。

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