「な? そうやろ? ここまでのことができるお人やから、あの国有地はああなったんや。あの人のご威光があったから、あの土地取引はあの形で動いたんよ。前川さん流に言えば『行政が歪められた』わけよ」
今回のインタビューは籠池氏が文部科学省前事務次官・前川氏の記者会見をネット中継で観終わった直後から開始した。
「前川さん、上手いこと言うてたな。加計と森友はよう似てると。大学の設置も、小学校の設置も、学校設置認可と財政支援の両方が必要で、加計の場合は、財政支援が地方自治体、学校設置認可が国で、森友の場合は学校設置認可が地方自治体、財政支援が国と違いはあるけど、この行政の両方を調整する『司令塔がどこかにあるはず』って言うてたやろ? で、『特定の意思で行政が歪められた可能性がある』って。全くそやねんって。森友の場合は、それが昭恵さんであり安倍首相ご本人やった。昭恵さんが名誉校長に就任した瞬間から、話が前に進み出したのも、前川さんが記者会見で言うてた『司令塔』があの夫婦やからや。そこがこの事件の『本筋』。ここを解明することが、ほんまは、地検特捜部のやるべき仕事ちゃうんかなぁ」
自身に掛けられた嫌疑を棚に上げ、行政の歪みを指摘する籠池氏の姿は手前勝手に見えるかもしれない。だが、その主張に理がないと一蹴するのも難しい。
確かに籠池氏の指摘通り、事件の「本筋」である国有地不当廉売の背景に切り込まない限り、「最強の捜査機関」と恐れられ、「政官財の監視役」とまで言われた地検特捜部の誇り高き看板に、癒えることのない傷をつけることになるだろう。
※週刊朝日 2017年7月7日号