患者数1位の「大腸がん」 遺伝子検査で決める「最適薬」とは? (3/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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患者数1位の「大腸がん」 遺伝子検査で決める「最適薬」とは?

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大腸がんの生存期間は近年、大幅に延びている(※写真はイメージ)

大腸がんの生存期間は近年、大幅に延びている(※写真はイメージ)

「大腸がんではHER2たんぱくを強く発現するHER2陽性の人が約5%にみられます。このため、乳がんで使われる分子標的薬のトラスツズマブとラパチニブを併用する療法を大腸がんに応用して、効果を見る試験が実施されています」(同)

 遺伝子検査とは異なるが、個別化医療という点では大腸がんのできた場所によって薬を変えるという考え方が出てきている。

 ヨーロッパとアメリカの二つの臨床試験で、大腸がんが右か左かによって分子標的薬の効果が違い、生存期間に差があるという結果が得られたためだ。

 具体的にはRAS野生型の大腸がんに対し、抗VEGF抗体薬のベバシズマブと抗EGFR抗体薬のセツキシマブを使って比較した。その結果、セツキシマブを使った試験で、右と左で生存中央値に大きな差が出た。

「腸は右と左で発生の過程が異なるため、分子生物学的にも違いがあり、このことが分子標的薬の効果に影響している可能性があります。今後、検証を重ねる必要がありますが、RAS変異のない野生型であっても右側が原発巣の場合、生存率の高いベバシズマブを使ったほうがよさそうだということです」(同)

 なお、保険適用となっているRAS遺伝子検査以外の検査や治療法については、現在、研究段階で、一部のがん専門病院を中心に実施されている。山口医師によれば、治療に導入できるかどうかなど実用化については数年以内に答えが出るだろうという。

週刊朝日  2017年6月9日号


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