患者数1位の「大腸がん」 遺伝子検査で決める「最適薬」とは? (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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患者数1位の「大腸がん」 遺伝子検査で決める「最適薬」とは?

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大腸がんの生存期間は近年、大幅に延びている(※写真はイメージ)

大腸がんの生存期間は近年、大幅に延びている(※写真はイメージ)

 近い将来、検査の対象になるといわれているものにBRAF遺伝子がある。BRAF遺伝子は細胞の増殖に関わっている。BRAF遺伝子の変異がある大腸がんは通常の治療では効果が得られない、予後不良のがんとして知られてきた。

「実はRAS野生型の人にBRAF変異型が多いことがわかっています。ところがBRAFの変異があるとRAS野生型に使用する抗EGFR抗体薬が効きにくいのです。このため、BRAF遺伝子変異型の大腸がんに対しての治療法が研究されています」(山口医師)

 欧米では5‐FU系抗がん剤にオキサリプラチン、イリノテカンを加えるFOLFOXIRI療法にベバシズマブを加えた治療で生存期間が延びた。このため、BRAF遺伝子変異のある転移・再発大腸がんに対して、第一選択の薬として推奨されている。このタイプのがんに対する新薬開発の試みも進んでいるという。

 また、ミスマッチ修復遺伝子の欠損も注目されている。ミスマッチ修復遺伝子は、細胞の遺伝子変化や異常を修復する働きを持つ。

 大腸がん全体でこの遺伝子に欠損のある人は5~7%だが、遺伝性大腸がんの一つであるリンチ症候群では90%以上に認められる。このため、リンチ症候群のスクリーニングテストとしてミスマッチ修復遺伝子の機能を調べる「MSI(マイクロサテライト不安定性)検査」が実施されている。

 この検査で陽性だった患者は5‐FU系の抗がん剤が効きにくいが、免疫チェックポイント阻害剤のペムブロリズマブ(キイトルーダ)やニボルマブ(オプジーボ)が有効という研究結果が出てきている。

 乳がんや胃がんのタイプを分類する指標として知られるHER2たんぱくについて、大腸がんでの研究も始まっている。HER2たんぱくとは細胞の増殖調節機能を担い、正常な細胞にもわずかに存在する。このたんぱくが過剰に発現、活性化することががん増殖の引き金になると考えられている。


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