一方、小池氏は11月12日、猪瀬直樹元東京都知事を講師に呼び、第2回の小池塾「希望の塾」を開催。2900人を集め、さらに2次募集をかけるなど着々と新党の下準備を進めているようにも見える。

 さらに、小池氏側は政界を引退した橋下徹・おおさか維新の会(現・日本維新の会)前代表に「希望の塾」の講師を打診し、橋下氏も前向きに検討しているという。橋下氏は小池氏の就任後、都政について精力的にツイートを繰り返し、かつての盟友だった石原氏に対しても、《地下空洞問題からは逃げられない》(9月19日)と書いて小池氏を援護射撃している。

 また、11月9日に都庁を訪問した地域政党・減税日本代表の河村たかし名古屋市長とも会談し、連携について話し合った。会見で維新との連携について聞かれた小池氏は「その後どうするかについては今は全く考えておりません」と煙にまいたが、「小池新党」が本格的に立ち上がって維新の会、減税日本と連携すれば、国政の勢力図を変える一大グループとなる可能性がある。元経産官僚の古賀茂明氏がこう語る。

「トランプ氏も小池氏もしがらみのない人物が既存勢力と戦うという構図で支持を集めた。小池氏の今後のカギは、自民党に取り込まれたというイメージを持たれないこと。一方、維新の会は自民党の『補完勢力』となってしまい一時期の勢いを失ったが、橋下氏はいったん政界と距離を置いて立ち位置を調整しており、小池氏と組んでもう一度、既存勢力と戦う姿勢で出てくれば、大きな支持を集める可能性があります」

 小池氏にはさらに追い風が吹いている。トランプ大統領誕生という不測の事態が発生したことで、安倍自民党のシナリオが狂いつつあるというのだ。

衆院選を年明けにやるという雰囲気はなくなっている。1月にはトランプ新政権となるので、その対応に加え、同月には天皇陛下の退位をめぐる有識者会議の論点整理も発表される。これが衆院選の争点になるようなら『不敬』になってしまう。12月、プーチン大統領と協議する北方領土問題の進展、次の衆院選の世論調査の結果も芳しくないので、与党で3分の2を維持することは難しくなる。そうなれば、第三極がキャスティングボートを握る展開となってしまう」(前出の自民党議員)

次のページ