関幸彦
貴族の必須アイテムは「和歌」と「管弦」 道長と紫式部が生きた時代に起きた激動とは
藤原道長や紫式部の時代は、東アジア世界の転換期にあたっており、その影響は日本にももたらされた。歴史学者の関幸彦氏は、古代律令システムが中国(唐)を“お手本”としたのと比べると、『源氏物語』を誕生させた王朝時代は、“お手本”が希薄になっていった段階だと説く。「真名」(漢字)から「仮名」(平仮名・片仮名)への転換、天皇号の漢風表現からの脱却は、大陸的文明思考からの離脱を意味するものだった。関氏の新著『藤原道長と紫式部 「貴族道」と「女房」の平安王朝』(朝日新書)から一部抜粋、再編集し、紹介する。
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