リモートワークやテレワークが定着し、リモート・ハラスメント(リモハラ)という新しいハラスメントが生まれている。新しい働き方のため運用ルールが明確でないことや、対面とは違うオンラインでのコミュニケーションの難しさが原因で、雑談やマネジメントのつもりだった言動が、相手にとってはストレスとなる場合がある。

【例】リモートワークで外さないコーディネート

リモハラにあたる不適切な行動を避け、適切なマネジメントをおこなうためには、どのような行為がリモハラにあたるのか知ることが重要だ。ハラスメント対策専門家・山藤祐子さん監修の書籍『トラブル回避のために知っておきたいハラスメント言いかえ事典』から、リモハラになりかねないNGフレーズを紹介する。

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■「ちゃんと仕事してる?」と進捗状況を疑うのは要注意

リモートでは上司が部下の様子を直接確認することはできません。クギを刺すつりであっても「サボってないだろうな?」と疑うのは相手を侮辱する発言でありハラスメントにあたります。

「ちゃんと仕事してる?」もイエローカード。発言自体はハラスメントではありませんが、疑うような聞き方は相手に不快感を与えかねません。

「○○の件は、どこまで進んでる?」と普段通りの進捗確認をすればOK。ただし、あまり頻繁に確認することは避けましょう。進捗状況が共有されるよう、仕事を「見える化」する工夫も必要です。

■「(オンライン会議で)汚い部屋だな。だから仕事ができないんだよ」はNG

オンライン会議では部下の自宅の映像も目に入ることになります。その様子についてコメントすることは、業務上必要のないことであり、かつプライベートの詮索にもなるため、ハラスメントにつながるおそれがあります。

NG例は「汚い部屋だ」と指摘するだけでも侮辱となるうえ、さらに「だから仕事ができないんだ」と根拠なく結びつけてなじるのは明らかなハラスメントです。

「ユニークなインテリアだね」は侮辱ではありませんが、インテリアへの言及は慎重を期すべきでしょう。

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大原則は「何が目に入っても……」