「性格が素直で野球に対しては真剣に取り組んでいる。日本語もだいぶ話せるようになり、周囲ともコミュニケーションを図っている。異国の地で必死に頑張っているのは伝わるから、何とか結果を残して欲しい」(ソフトバンク関係者)

「体調不良が原因でウインターリーグを切り上げて帰国したが、モチベーションは高かった。MLBドラフト後に発覚した右手首以外については、体は強いと言われていた。脇腹は初めて痛めたらしく長引くとも言われている場所なので、今後が心配」(ソフトバンクOB)

 素材は一級品、本人も向上心を持ってプレーしているのは誰もが理解している。しかし、期待値とは裏腹にここまで結果を残せておらず、フロントや首脳陣からの評価には厳しいものもある。小久保裕紀二軍監督からも度々苦言を呈されている。

「フロントは費用対効果を考える。ファーム首脳陣は1人でも多くの選手を育てないといけない。スチュワートの潜在能力や契約内容を考えると焦燥感にかられるのも理解できる。本人が良い人間でも結果が全ての世界ですから」(ソフトバンクOB)

 とはいえ、チーム事情的には決して焦る必要もないもの事実だ。

「一軍関係者は焦りは感じていないはず。『残り2年の契約期間内で成長して使えるようになれば良い』くらいだろう。チームは開幕から好調を維持。先発ローテーションは人数が足りており問題ない。(スチュワートには)故障を完治させてのレベルアップを期待しているのではないか」(在京球団編成担当者)

 チームはエースの千賀滉大がメジャーリーグのメッツに移籍したものの、先発投手の陣容は揃っている。左の大関友久、和田毅、右の藤井皓哉、東浜巨、石川柊太。加えて故障で出遅れたが先発に転向する森唯斗、NPB復帰の有原航平も控えている。よほどの緊急事態がない限り、現状でスチュワートが入り込む隙は見当たらない。

「周囲も状況を把握しており、代理人スコット・ボラス氏は無理しないように忠告しているはず。6年契約が終了すればMLBに移籍するのは間違いない。契約が満了し、MLB移籍時にベストコンディションにしておきたい。MLB球団との契約に先発登板数の確約を入れ込んでおいて米国で結果を残せば良い」(MLBアジア地区担当スカウト)

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日本で活躍せずとも米国に帰国?