来年オープンする日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」
来年オープンする日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」

 北海道で絶大な人気を誇った日本ハムにかつてほどの勢いがない。今季は“BIG BOSS”こと新庄剛志監督が就任し、開幕前は大きな注目を浴びたがチームも低迷し、いまいち集客も伸びていない。

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 来シーズンからは新球場への移転を機に再出発したいという思惑も十二分に伝わってくるが、一部の北海道民は新球場への移転を“冷めた目”で見ているという。

 だが、移転当初の熱狂については今もファンは忘れていない。9月24日から28日まで札幌ドームで開催される今季最後の5試合は「FINAL GAMES2022」と命名され、来場者へ記念品がプレゼントされるなど多くのイベントが企画され、ファンからの反応も非常にいい。

 また先立って9月17日のロッテ戦では、「ファイターズレジェンドメモリアルピッチセレモニー」を開催。2006~07年のリーグ連覇を達成した当時の指揮官トレイ・ヒルマン氏がメモリアルピッチセレモニーで登板し、優勝メンバーが各ポジションに就いた。札幌ドーム19年間への思いが込められたセレモニーにより試合前から球場のボルテージは最高潮となった。

「かつての熱気が戻ってきたようだった。スタンドには立錐の余地がないほどの大観衆が集まった。コロナ禍で声を出せないが、拍手で選手を後押しする姿は当時と変わらない。現在のチームを取り巻く状況とは好対照で思うことが多かった」(北海道のテレビ局関係者)

「稲葉篤紀(現GM)、森本稀哲など、当時のレジェンドが勢揃いすることが告知されると立ち見チケットまで完売。3年ぶりの超満員となったこともあり大きな注目を集めた。9月のホーム試合で着用する旧ユニフォーム関連グッズも信じられないほど伸びている。改めて北海道民に感謝するとともに、移転して良かったと痛感した」(日本ハム関係者)

 17日はセレモニーの勢いも加わったのか、試合でもかつての日本ハムのような粘り強さを見せた。2回に清宮幸太郎が右中間席へ17号本塁打を放つと、2点ビハインドの8回にアルカンタラの本塁打で追いつき、9回にルーキー上川畑大悟のサヨナラ打を放った。

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北海道移転で一躍人気チームとなったが…