「札幌ドームは行きやすい場所にある。気軽に足を運べ、試合後も市内へ戻って食事などもできる。北広島だとそうもいかない。JRの新駅ができるのはまだ先で、それまでの具体的なことは伝わってこない。行ってみたい球場だが、これまでのようにはいかない」(札幌ドームに訪れていた日本ハムファン)

「告知に関しては、地元より全国のファンを意識しているように感じる。球場施設内の物価も上がることが予想される。現状、地元の人が日常生活の中で簡単に行けるような場所ではない。顧客ターゲットを変えたのかもしれない」(スポーツマーケティング会社関係者)

 札幌ドームの本拠地使用を断念したのは、興行時の営業条件面などで札幌市と折り合いがつかなかったことが原因。自前の新球場を建設することで球団収入が増えることは喜ばしいが、その分の負担がファンに回ってきては本末転倒だ。まして地域密着を謳いながら地元が蔑ろになってしまうようでは話にならない。

「新球場」「BIG BOSS」そして「きつねダンス」……。世間的に注目を集めるコンテンツは大切で、北海道を全国、そして世界へ向けて発信するには欠かせない。しかしそれだけに寄り過ぎて足元が揺らいでしまってはどうしようもない。今後の日本ハムがどの方向を目指しているのか、北海道民はシビアに見ているはずだ。