●参政党

 参院選の終盤の世論調査で前評判が高いのが、今回が初めての国政選挙への挑戦という参政党。「皆さんが投票したい、入れたい政党がない。なら自分たちで作ればいい、といってできたのが参政党です」

 と札幌駅前で訴えるのは、参政党の比例区の候補者で、医療法人理事長の吉野敏明氏。選挙カーの周辺には、イメージカラーのオレンジのTシャツを着た100人超の市民が演説に耳を傾けていた。

 れいわが自民党、公明党との対決姿勢を示す革新的な政策を打ち出すのに対し、参政党は「自らの国を守るのは自らで」という安全保障政策などから保守的な訴えを展開する。比例区に5人、全国の選挙区に45人の候補者を擁立した。

 党の共同代表で、元大蔵省(現・財務省)官僚の松田学氏(64)は、29年間大蔵省に勤務した後、国政進出のため退官した。2012 年の衆院選には日本維新の会から出馬し、初当選。その後、 次世代の党を経て、20年に参政党を結成した。

 議席獲得の可能性について聞くと、

「比例区の全員当選が目標です。あとは地方の選挙区で何人当選できるかという状況です」と強気だ。現在、全国に49の支部があり、来年4月の統一地方選では「数百人の当選」を目指しているという。

 柱となる政策では「松田プラン」という財政、通貨政策を掲げている。

「日本には1千兆円を超える国債残高があります。このままだと、国債の返済をするために消費税率が30%になってしまうかもしれない。松田プランでは日銀保有の国債を、政府が発行する第3の通貨『デジタル円』にユーザーの求めに応じて換えてしまおうというものです。内容が難しいと言われていて、今の政治家は理解できないようなので、ならばこの政党でやろうと思っているんです」

NHK

 受信料を払った人だけがNHKを視聴できるようにする「スクランブル化」実現などを掲げているNHK党。前回、2019年の参院選では、1議席を獲得した。代表の立花孝志代表は今回の選挙では、「年間2万6千円のNHKの受信料を無料にすべき」という政策を強く打ち出している。

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ドバイからYouTubeで選挙活動