K-1の創設者で、数々の格闘技大会をプロデュースしてきた正道会館の石井和義館長は、試合直後にツイッターでこうつぶやいた。

「チケット売り上げ20億、ペイパービュー50万件25億、スポンサー5億、計50億。観客数59000人すべての興行記録塗り替えたね。選手、並びに全ての関係者に心より感謝いたします。ありがとうございました!」

 このツイートはまたたく間に拡散され話題となったが、改めて石井館長にツイートの真意と試算の根拠を聞いてみた。

「観客数は、大会関係者も含めると5万9000人くらいになるでしょう。客席はリングサイドの1列目300万円、2列目200万円、3列目100万円と、(価格設定としては)ちょっと高すぎると思いましたが、それがあっという間に売り切れましたからね。PPVが50万件というのも、すごい数字です。イベントによっては無料で入れている客がいるものだけど、今回は実際にチケットを購入した人の人数ですからね。格闘技の試合の記録を塗り替えたと思います。もし、フジテレビが放送していたら、そんなにPPVの数字は伸びなかったでしょう。ABEMAはプレミアム会員になると20%引きで見られるから、ほとんどの人は会員登録してから試聴したと思います。ABEMAの会員は一気に何十万人も増えたはずです」

 石井氏はスポンサー料を「5億円」と試算したが、その内訳はどう計算したのだろうか。

「私のプロデューサーとしての経験で推定しました。メインスポンサーが4社あって、1社1億円出せば4億円。あとは小さいスポンサーを全部まとめて1億円くらいと計算して、合計5億円くらいじゃないかと試算しました。チケット代やPPVの収入もすべて合わせると全体で約50億円になる。でもそれにはグッズの売上げは入っていませんから、実質的な収入はもっとあるでしょう」

 石井氏がツイッターでこの試算を出したことで、スポーツ紙などはこれを引用し、多くの関心が集まった。

「プロスポーツなんですから、お金のことは大切ですよね。大きなお金と名誉が得られるから、若い子たちが夢を抱いて目指せる部分はあると思います」

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ファイトマネーは井上尚弥よりも上か