「実際の求人情報を前にすることは、自分がどんな条件を重視しているのか改めて確認できる。 “自分は福利厚生を重視するタイプと思っていたけど、実は自分が気になった求人に共通しているのは、今よりも高い年収だったなど、自分でも気づいてなかったポイントを発見することもあります」(戸塚さん)

2.たくさん求人を見て、必要とされるスキルを読み解く

 転職活動は、自分を売り込む営業活動でもある。転職サイトなどでこまめに求人をチェックし、企業が抱える課題解決のために貢献できるスキルを把握したり、自分が目標とする年収や職種に必要な能力を把握して、今の自分の仕事との共通点を探す。つまり、相手が求めていることの中から、自分にできることを探して営業することのが転職活動というわけだ。たくさんの求人を見ることで、世の中で必要とされているスキルを把握し、自分にできることを探していくことが必要だ。

「求人を検索して情報を集めるにはコツがあります。その時に自分が興味を持った業界や、同業種の求人に絞るのではなく、例えば“年収800万円以上の全企業”といった、今より高年収の求人を包括的に見る。そのうちに、どんなスキルを持った人がどの業界で求められているのか、その求人の年収やスキルと今の自分にはどれくらいの差があるのかなど、転職に生かせる気づきがあるはずです」(同)

3.自分の「仕事の意味」を理解する

 自分の市場評価を上げるには、会社の売上と利益を伸ばすことに貢献することが必要だ。会社の売上と利益を伸ばすには、業界全体の状況→会社の課題→部署の役割→自分のミッションと、俯瞰した視点を踏まえた上で自分の仕事を理解することが必要となる。業界や会社全体の課題を把握し、その解決策を考えて実行する。年収が高くなるにつれて、この能力が求められるようになる傾向が強い。

写真はイメージ(GettyImages)
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「市場価値の低い人に共通するのが、“同じ給料なら無駄に働かないほうがいい”という考え方。この考え方は長期的な視点でみると、仕事に対する姿勢が受け身になり、得られる経験値も低くなりがちです。自分の価値を上げるにはある程度の努力が必要です」

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