夏樹陽子さん(撮影/上田耕司)
夏樹陽子さん(撮影/上田耕司)

 赤いフェラーリ348TB は5年間乗って、現在の黄色のF355に買い替えた。いくら有名女優とはいえ、フェラーリを乗り換えるには、かなり潤沢な資金がないと難しそうだが……。

「全部、自分のお金で買ってます。好きなものは自分で買いたい性格なんです。1台目の348TBは1600万円ちょっと、現在のF355は約1800万円くらいで買いました。みんなローンですよ」

 フェラーリといえば赤が定番だが、あえて「黄色」を選んだ理由は何だったのか。

「黄色は目立つし、事故率が少ないと聞いていたからです。黄色って大きく見える膨張色なんですね。自分が楽しくいられる色ですし、ビタミンカラーですから元気が出るじゃないですか」

 車好きの夏樹さんが乗るのはフェラーリだけではない。最近では所有していたメルセデスベンツ450AMGを下取りに出して、トヨタのアルファードを購入したという。

「アルファードに買い替えたのは、『山女日記』(NHKBSプレミアム)で共演した女優の工藤夕貴さんが乗っていたのがきっかけ。工藤さんが愛犬ハニーとの移動には愛用していて、『陽子さん、乗ってみて』と言われ、乗ってみたら、すごく気に入っちゃった。後ろのシートを上げてマットを敷けば、ゆったりベッドルームに! 私の家族のトイプードルのマカロンとお泊まりできるんですよ。マカロンと旅がしたいがためにアルファードを買ったようなものです」

 夏樹さんは雑誌、CMなどのモデルを経て、24歳の時に映画「空手バカ一代」(1977年)のヒロイン役で女優デビューした。その後もサスペンスドラマや時代劇などで多くの役を演じ、「2時間ドラマの女王」とも呼ばれた。今年は女優生活45周年という節目の年を迎える。

「芸能界で生き残るのは本当に大変だと、45年やってきてつくづく思います。若くてキレイでスタイルのいい女性が次々とデビューしてくる。その一方、私は年齢を重ねてゆく。それでも、ひたすら真面目にコツコツと誠実にやってきました。それは胸を張って言えます。やっぱり、女優という仕事を一番大事にしてきましたもの。自前のお洋服にお金を使って、いただくギャラをオーバーすることもよくありました。そうやって一生懸命やってきたことも、今につながっているひとつの理由だと思いますね」

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