野手で最も難しかったのが捕手で、これまでは2014年に一軍で24試合に出場した鶴岡賢二郎(四国IL愛媛→DeNA)、実働6年で一軍通算38試合に出場した西森将司(四国IL香川→DeNA)、このオフ戦力外となった大村孟(BCL石川→ヤクルト)などが目に付く程度だったが、将来性も含めて今年大きく成長した山本を挙げたい。

 京都翔英では同期に石原彪(楽天)がいたこともあってセンターを守っていたが、BCリーグの滋賀では入団直後から正捕手の座をつかみ、わずか1年でNPB入りを果たす。DeNAでも1年目から一軍でホームランを放つと、4年目の今年は自己最多の51試合に出場し、存在感を示した。打撃は課題だがその強肩は大きな武器だけに、来季以降の飛躍に期待がかかる。

 内野手で最も早く一軍の戦力となったのは内村だ。育成選手としてのプロ入りだったが、1年目に早くも支配下登録されると2010年からは3年連続で100試合以上に出場(2012年は楽天とDeNAでの合計)。DeNA移籍後は成績を落として2016年オフに自由契約となったが、NPB通算100盗塁は立派な数字である。

 移籍をきっかけにチャンスをつかんだのが亀沢だ。ソフトバンクで3年間育成選手としてプレーしたが、2014年オフに自由契約となると支配下選手として中日に入団。移籍1年目からいきなり107試合に出場して89安打を放つ活躍を見せ、その後も内野のバックアップとして貴重な戦力となった。2019年限りで中日を自由契約となると、その後2年間は琉球ブルーオーシャンズでコーチ兼任としてプレー。来季からは社会人野球のショウワコーポレーションの監督となることが先日発表されている。

 残る内野手2人は現役選手となった。樋口は立正大卒業後にBCリーグの新潟で3年間プレーし、25歳の時に育成ドラフト2巡目で指名を受けて日本ハムに入団。1年目から二軍でヒットを量産して支配下登録を勝ち取り、一軍でプロ初ホームランも記録している。今年は二軍でも不振に陥り来季は再び育成選手として契約することとなったが、パンチ力のある打撃は魅力だ。

 増田も育成ドラフト出身ながら2年目の2017年に支配下登録されると、2019年からは代走の切り札として2年連続でチームトップの盗塁数をマーク。昨年は大敗している試合でマウンドにも上がり話題となった。今年は少し成績を落としたものの、そのスピードと多くのポジションを守れる器用さは貴重だ。

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外野手はタイトルホルダーも誕生