巨人・増田大輝(左)と中日時代の亀沢恭平(写真提供・読売ジャイアンツ/中日ドラゴンズ)
巨人・増田大輝(左)と中日時代の亀沢恭平(写真提供・読売ジャイアンツ/中日ドラゴンズ)

 比較的動きが少ない今年のストーブリーグだが、その中で注目を集めたのが国内FA権を行使して中日からソフトバンクへ移籍した又吉克樹だ。ちなみに国内の独立リーグ出身選手がFAで他球団へ移籍したのはこれが初めてである。

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 そして他にも独立リーグからNPB入りしてチームに欠かせない存在となっている選手は少なくない。そこで今回は既に引退した選手も含めて独立リーグ出身者でのベストナインを選出してみた。

投手:又吉克樹(四国IL香川→中日→ソフトバンク)
400試合 41勝26敗10セーブ143ホールド 防御率2.86

捕手:山本祐大(BCL滋賀→DeNA)
68試合 18安打2本塁打8打点0盗塁 打率.157

一塁:樋口龍之介(BCL新潟→日本ハム
47試合 18安打1本塁打4打点0盗塁 打率.176

二塁:亀沢恭平(四国IL香川→ソフトバンク→中日)
421試合 249安打2本塁打40打点25盗塁 打率.265

三塁:増田大輝(四国IL徳島→巨人
205試合 24安打1本塁打10打点46盗塁 打率.220

遊撃:内村賢介(BCL石川→楽天→DeNA)
596試合 340安打1本塁打97打点100盗塁 打率.246

外野:角中勝也(四国IL高知→ロッテ
1254試合 1187安打56本塁打489打点64盗塁 打率.281

外野:三輪正義(四国IL香川→ヤクルト
418試合 62安打0本塁打16打点23盗塁 打率.236

外野:和田康士朗(BCL富山→ロッテ)
167試合 17安打0本塁打1打点47盗塁 打率.218

 投手は冒頭で触れた又吉を迷うことなく選出した。2013年のドラフトで独立リーグからは最高順位となる2位指名で中日に入団すると、ルーキーイヤーから4年連続で50試合以上に登板するなど中継ぎの一角として一軍に定着。5年目の2018年からは調子を落として苦しむ時期も続いたが、今年はチームトップとなる66試合に登板して3勝8セーブ33ホールド、防御率1.28と圧巻の成績を残した。

 投手部門のあらゆる通算成績で独立リーグ出身選手としてはダントツトップの数字を残しており、通算143ホールドは今シーズン終了時点でNPB歴代11位の記録である。移籍するソフトバンクとは4年総額6億5000万円を超える大型契約と言われているが、これまでの実績と今年の活躍を考えれば妥当な内容と言えそうだ。今年の状態を維持することができれば、数年後には史上4人目となる通算200ホールドの達成も見えてくるだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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