大田泰示(球団提供)
大田泰示(球団提供)

 今オフにFA権を行使したのは中日・又吉克樹、西武・岡田雅利、DeNA・大和の3選手。岡田、大和は残留の意向を表明しており、他球団に移籍の可能性があるのはソフトバンク、DeNAが獲得に名乗りを上げている又吉のみとなった。

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 ただ、「静かなオフ」と言われればそうではない。複数球団で争奪戦の様相を呈しているのが日本ハムを自由契約になった西川遥輝、大田泰示だ。新庄剛志新監督が就任し、若返りを図るチームの方針で主力2人がチームを離れることになった。西川は巨人が獲得に向けて調査をしていることが報じられ、大田はDeNAが興味を示しているという。

「正直意外でしたね。巨人の外野陣は丸佳浩、梶谷隆幸、松原聖弥と左打者が多い。西川は同じリードオフマンの松原とタイプが重なるので獲得に動かないと思いました。むしろ、原監督は大田を呼び戻すんじゃないかなと思いました。巨人で伸び悩んでいましたが原監督は熱心に指導していましたし、日本ハムにトレード移籍したのは高橋由伸政権の時です。巨人は右の長距離砲が少ないので貴重な存在と思われたのですが、獲得に動かなかった。大田の性格を把握していたからこそ、球団は見極めたのかもしれませんね」(スポーツ紙デスク)

 かつては巨人、日本球界を背負う和製大砲として将来を嘱望された。東海大相模で通算65本塁打をマーク。大型遊撃手で強肩強打のプレースタイルは「和製ジーター」と形容された。巨人に2008年ドラフト1位で指名され、松井秀喜の背番号「55」を継承したことに球団の期待の大きさがうかがえる。しかし、現実は厳しい。1軍定着できず打撃フォームも試行錯誤を繰り返した。16年オフに日本ハムへトレード。この移籍が転機となり、新天地で水を得た魚のごとく躍動した。1年目の17年に外野のレギュラーに定着し、巨人での在籍8年間で放った9本塁打を上回る15本塁打をマーク。19年に打率.289、20本塁打、77打点と自己最高の成績を更新する。昨年は外野手でリーグ2位の7補殺を記録するなど強肩と球際の強さが際立ち、自身初のゴールデングラブ賞を獲得した。

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